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🔬物理クイズ 問題と解説

力学・電磁気・熱力学・量子論など、物理学に関するクイズです。自然界の法則を発見した偉人たちのエピソードも含みます。1210問のうち第11211140問を掲載しています(57ページ目/全61ページ)。

  1. 1121難易度 ☆☆☆☆

    核磁気共鳴(NMR)の原理を応用した医療診断装置はどれか?

    正解:MRI(磁気共鳴画像)装置
    解説:核磁気共鳴(NMR)は、磁場中に置かれた原子核(特に水素原子核)がラジオ波を吸収・放出する性質を利用している。MRI(Magnetic Resonance Imaging)はこの原理を医療診断に応用し、X線を使わず軟組織の詳細な断層像を得られる。放射線を使わないため安全性が高い。
  2. 1122難易度 ★★★☆☆

    「ミュー粒子(ミューオン)」について正しい説明はどれか?

    正解:電子と同じ電荷を持つが質量が約207倍重い不安定な素粒子
    解説:ミュー粒子(μ粒子)は電子と同じレプトン族に属し、電荷は-1(電子と同じ)だが質量が電子の約207倍(約105.7 MeV/c²)で、平均寿命約2.2μsの不安定粒子である。宇宙線として地表に降り注ぎ、特殊相対性理論の時間膨張の実験的証拠の一つとして有名である。
  3. 1123難易度 ★★★☆☆

    「スーパーストリング理論(超弦理論)」の基本的なアイデアとは何か?

    正解:素粒子を点粒子ではなく微細な「弦(ひも)」の振動モードとして記述する
    解説:超弦理論は素粒子を点粒子ではなく、プランクスケール(約10⁻³⁵ m)の大きさを持つ一次元の「弦」とし、その様々な振動モードが異なる素粒子に対応するとする理論体系である。10次元(またはM理論では11次元)の時空を必要とし、重力を含む全相互作用の統一を目指す。
  4. 1124難易度 ★★☆☆☆

    光電効果においてアインシュタインが発見した重要な関係式はどれか?

    正解:放出電子の最大運動エネルギー = hν - W(仕事関数)
    解説:アインシュタインは光電効果において、照射する光の振動数νに対して放出電子の最大運動エネルギーKmax = hν - W(Wは物質の仕事関数)という関係が成立することを示した。この関係は電子のエネルギーが光の強度ではなく振動数に依存することを示し、光の量子性(光子)を証明する根拠となった。
  5. 1125難易度 ★★★☆☆

    太陽系外からの最初の恒星間天体として2017年に発見されたのはどれか?

    正解:オウムアムア('Oumuamua)
    解説:2017年に発見されたオウムアムア(1I/2017 U1)は、その軌道計算から太陽系外から来た初の恒星間天体と確認された。細長い形状や予期せぬ非重力的加速など独特の性質を持ち、その正体(天然天体か宇宙人工物かも含め)について今も議論が続いている。
  6. 1126難易度 ★★☆☆☆

    「事象の地平線望遠鏡(EHT)」が2019年に初めて撮影に成功したブラックホールはどの銀河にあるものか?

    正解:楕円銀河 M87(おとめ座銀河団の巨大楕円銀河)
    解説:EHT国際協力チームが2019年4月に公表した最初のブラックホール画像は、地球から約5500万光年離れた楕円銀河 M87 の中心にある質量約65億太陽質量の超巨大ブラックホールのシャドウであった。2022年には同じくEHTが天の川銀河中心のいて座A*の画像も発表している。
  7. 1127難易度 ☆☆☆☆

    宇宙の年齢はおよそ何年と推定されているか?

    正解:138億年
    解説:プランク衛星などによる宇宙マイクロ波背景放射の精密測定から、宇宙の年齢は約138億(1.38×10¹⁰)年と推定されている。ちなみに地球の年齢は約46億年であり、宇宙誕生から約90億年後に地球が形成されたことになる。
  8. 1128難易度 ★★★★

    「漸近的自由」とはQCDにおいてどのような現象か?

    正解:クォーク間の距離が短い(高エネルギー)ほど強い力が弱くなる性質
    解説:漸近的自由(asymptotic freedom)はQCDの本質的な性質で、クォーク間距離が非常に短い(≒高エネルギー)場合に強い力の結合定数が0に近づく現象である。デービッド・グロス、ヒュー・ポリツァー、フランク・ウィルチェックがこれを発見し、2004年のノーベル物理学賞を受賞した。
  9. 1129難易度 ★★★☆☆

    量子コンピュータの実現に向けて、キュービットを保護するためにGoogleや IBMが採用している主要なアプローチは何か?

    正解:超伝導回路を用いたマイクロ波制御qubit
    解説:GoogleのSycamoreやIBMのQSystemなど現在最大規模の量子コンピュータは超伝導回路を用いたqubitを採用している。マイクロ波パルスで量子ゲート操作を行い、ジョセフソン接合を含む回路を絶対零度近傍(~15mK)まで冷却して動作させる。
  10. 1130難易度 ★★★☆☆

    「重力波」の直接検出に成功したLIGO(レーザー干渉計重力波観測所)の基本的な検出原理は何か?

    正解:マイケルソン型レーザー干渉計で腕の長さの変化(10⁻¹⁸m以下)を測定する
    解説:LIGOは約4kmの腕を持つマイケルソン干渉計で、重力波が通過する際に生じる時空の歪み(腕の長さの変化)をレーザー光の干渉縞の変化として測定する。測定精度は陽子直径の1/1000以下(約10⁻¹⁸m)という超精密測定で、騒音・振動対策に膨大な工学的工夫が施されている。
  11. 1131難易度 ★★☆☆☆

    ペンジアス・ウィルソンが発見した宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の現在の温度はおよそ何Kか?

    正解:2.725 K
    解説:CMBの温度は精密測定によりT = 2.725 K(≈ -270.4°C)と決定されている。この値はビッグバン後38万年頃に宇宙が晴れ上がった(光子が自由に伝播できるようになった)ときの温度約3000Kが、宇宙の膨張により現在まで約1100分の1に冷却された結果である。
  12. 1132難易度 ★★☆☆☆

    「量子エンタングルメント(量子もつれ)」において、一方の粒子を測定すると相手の粒子の状態が即座に決まるこの現象をアインシュタインが批判した言葉は何か?

    正解:不気味な遠隔作用(spooky action at a distance)
    解説:アインシュタインはEPR論文(1935年)でポドルスキー・ローゼンとともに量子もつれの非局所的相関を指摘し、これを「不気味な遠隔作用(spukhafte Fernwirkung)」と呼んで批判した。この批判はベルの不等式の定式化と実験による量子非局所性の実証へとつながっていった。
  13. 1133難易度 ★★★☆☆

    量子力学の「多世界解釈」(エヴェレット解釈)の基本的な主張は何か?

    正解:観測のたびに宇宙が枝分かれし、すべての観測結果が別々の「世界」で実現する
    解説:ヒュー・エヴェレット3世が1957年に提唱した多世界解釈は、量子測定で波動関数は「収縮」せず、宇宙は観測のたびに複数の枝(世界)に分岐するとする。すべての量子的可能性が何らかの世界で実現し、観測者もその分岐過程の一部として量子力学的に記述される。
  14. 1134難易度 ★★★☆☆

    「中性子星」の密度が異常に高い(1立方センチあたり1億トン以上)理由は何か?

    正解:パウリの排他原理による電子縮退圧が不十分で陽子と電子が合わさり中性子のみが詰まるため
    解説:質量が太陽の1.4〜3倍程度の恒星が超新星爆発を起こすと、コアでは電子縮退圧(電子のパウリ排他原理)が重力に抗しきれず、電子が陽子に取り込まれ(逆ベータ崩壊)中性子が生成される。残るのはほぼ中性子のみで構成された超高密度天体(中性子星)で、パウリ排他原理による中性子縮退圧が支える。
  15. 1135難易度 ★★★★

    ペローとアシュキンが受賞した2018年ノーベル物理学賞に関係する技術で、ウィリアム・ムーアニア・グレゴリー・ペローと共にジェラール・ムーラ(ジェラール・ムーロー)の研究に当たる内容は何か?

    正解:チャープパルス増幅法(CPA)による超高強度レーザーパルス
    解説:ジェラール・ムーロー(モーロウ)とドナ・ストリクランドが開発したチャープパルス増幅法(CPA)は、超短レーザーパルスを周波数チャープで時間的に引き伸ばしてから増幅し再圧縮することで損傷なく超高強度を実現する。これにより100兆分の1秒(フェムト秒)台・ペタワット級のレーザーが可能となり医療・材料加工・科学研究に広く応用されている。
  16. 1136難易度 ☆☆☆☆

    「光子(フォトン)」の静止質量は何か?

    正解:0(質量ゼロ)
    解説:光子の静止質量は厳密にゼロである。これは光速で伝播する光子が特殊相対性理論においてエネルギー E = hν、運動量 p = hν/c を持ちながら、静止基準系が存在しない(光速で動くため)ことと整合する。電弱統一理論ではU(1)ゲージ対称性の保存から光子の質量はゼロに保護される。
  17. 1137難易度 ★★☆☆☆

    1905年にアインシュタインが発表したブラウン運動の理論が証明したことは何か?

    正解:原子・分子の実在性(アボガドロ数の精密な見積もりを与えた)
    解説:アインシュタインはブラウン運動(液体中の微粒子の不規則な揺れ)を分子の熱運動による衝突として統計的に計算し、その数式からアボガドロ数を求める方法を示した。ペランの実験的測定がこれを検証し、原子・分子の物理的実在性に疑念を持つ科学者たちを納得させた。
  18. 1138難易度 ★★★☆☆

    超新星爆発の一種「Ia型超新星」が宇宙の距離指標として使われる理由は何か?

    正解:白色矮星が一定の質量(チャンドラセカール限界質量≈1.4太陽質量)で爆発するため最大絶対等級がほぼ一定
    解説:Ia型超新星は連星系で白色矮星が伴星から質量を吸収しチャンドラセカール限界質量(約1.4太陽質量)に達すると炭素の核融合爆発(熱核爆発)が起きると考えられている。爆発条件が常に同じため最大光度がほぼ一定(標準光源)となり、距離の逆二乗則で宇宙論的距離が測定できる。
  19. 1139難易度 ★★★☆☆

    「クォークの閉じ込め(カラー閉じ込め)」とは何か?

    正解:クォークが単独では存在できず常にカラー中性の複合粒子(ハドロン)内に閉じ込められる性質
    解説:カラー閉じ込めはQCDの根本的な性質で、観測可能な粒子は必ずカラー電荷が中性(白色)でなければならない。クォーク2個(メソン:クォーク+反クォーク)または3個(バリオン:赤緑青各1個)のカラー中性組み合わせのみが存在できる。クォークを引き離そうとするとグルーオン場が増強されて新しい対生成が起き、単独のクォークは取り出せない。
  20. 1140難易度 ★★☆☆☆

    「光速度不変の原理」と「相対性原理」の2つを公理として特殊相対性理論を構築したとき導かれる重要な結論は何か(2つ)?

    正解:時間の遅れ(時間膨張)と長さの収縮(ローレンツ収縮)
    解説:特殊相対性理論の2つの公理から、高速で動く物体は静止系から見て時計が遅れる(時間膨張)し、進行方向の長さが縮む(ローレンツ収縮)という結論が導かれる。これらはローレンツ変換から数学的に厳密に導出でき、宇宙線ミュー粒子の地表到達や加速器での粒子の寿命延長として実験的に確認されている。

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